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英語がわかればフランス語はできる! |久松 健一

英語がわかればフランス語はできる!英語がわかればフランス語はできる!
久松 健一
駿河台出版社 刊
発売日 1999-05
価格:¥2,100(税込)
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フランス語の例文50を、類似点の多い英語と対比させながら、基本的な表現や文法を効率よく学ぶためのテキスト。
紹介される例文は日常会話が中心で、「Qu'est-ce que c'est?(これはなんですか)」といった基本的な疑問文をはじめ、少し複雑なものでも条件法過去を使った「Si j'avais ete a Paris en ce temps-la, je serais alle au Louvre.(あのときパリにいたら、ルーブル美術館に行っていたのに)」といったレベルにとどまっており、あくまで文法学習を目的とした簡潔な例文となっている。しかしその中で定冠詞、不定冠詞、人称代名詞、動詞の活用といった基礎の基礎から、代名動詞、命令文、比較級、最上級、複数ある過去形、関係代名詞、受動態、現在分詞、条件法、接続法といったフランス語の厳格な文法のルールをひととおり学ぶことができるようになっている。
本書は、1つの例文につき見開き2ページで構成されている。まず左ページでは仏英対照の例文とその和訳、例文のポイントが解説されており、右ページでは例文に使われた文法、語法の仏英対照による解説と類題による練習問題が用意されている。著者はまずフランス語に慣れるために、左ページだけをCDとともに繰り返しヒアリングすることをすすめている。
フランス語の最初の関門である鼻母音などの発音のポイントは冒頭の4ページに簡潔にまとめられており、巻末には仏和単語帳と動詞活用表が載っている。初心者あるいは基礎を固めたい中級者におすすめ。(大角智美)

英語が得意な人にも苦手な人にもお薦め 2005-07-07
既習の英語を頼りに,フランス語の仕組みを手っ取り早く把握するのに有効なテキストです。フランス語の学習を始める上でまず最初の障害となりがちな発音の解説は第1課で最低限に抑え,第2課から50課まで,49の例文に基づいた見開き2ページずつの内容が続きます。仏検5級レベルの入門から始まり,4級準備,4級,3級準備,3級レベルに至るまで,各課ごとに簡単な練習問題,10課ごとにリスニング問題が用意されています。付属のCDにはフランス語の例文とそれに対応する英訳がすべて吹き込まれていますので,英訳を頼りにディクテーションの練習を繰り返せば,自ずとフランス語の仕組みを身に付けることができるでしょう。
ただし,実際に本番の仏検3級を受験してみた感触からすると,本書だけでは合格には不安が残る気がします。例文の数も限られていますし,必須の文法事項も若干解説が省略されている箇所がありますので,仏検対策用には,やはり「新リュミエール」のような初心者用の文法書や,実践的な仏検受験用の問題集は必要だと思います。
とは言え,他の参考書と併用すれば効果は絶大です。私の場合は,入門時にこのテキストに取り組んだおかげで,英語とフランス語がこれ程までに似通った言語だったという認識を新たにし,何よりもフランス語への親しみ度が一気に増した気がします。それ以降フランス語の学習を進める上で,実感以上の効果があったのではないかと思います。
という訳で,本書は英語が得意な人にはもちろんお薦めですが,英語が苦手な人でも,本書に取り組めば英仏の両言語が同時に学べるという効果もあります。巻末には,英語とフランス語がどうして似ているかを,歴史的事実に基づいて説明した興味深い解説もありますので,ぜひとも一読をお薦めします。


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